労働者が通勤途中において負傷、疾病、障害または死亡した場合には「通勤災害給付」を受けることができます。通勤災害と認められるには、合理的な経路及び方法で仕事場と住居を往復している途中で起こったものでなければなりません。通勤災害と認められれば、生計を維持していた一定の遺族に遺族年金が、また遺族年金を受けることができない遺族には遺族一時金が、葬祭を行った人に対しては葬祭給付が支給されます。また、業務上の災害同様に特別支給金も給付されます。

通勤災害の定義

  1. 住居と就業場所との往復
  2. 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
  3. 1.の往復に先行し、又は後続する住居間の移動であって所定の要件に該当するもの

合理的な経路及び方法

社会通念上一般に通行するであろう経路、是認されるであろう手段をいう。会社に申請している通勤方法と異なる通勤方法であっても、それが通常の労働者が用いる方法であれば問題はない。通常利用することが考えられる経路が二、三ある場合は、そのいずれもが「合理的な経路」となる。他に子を監護する者のいない共稼ぎ労働者が託児所、親戚宅等へ子を預けるためにとる経路などは、そのような立場の労働者であれば当然就業のためにとらざるを得ない経路であるから、「合理的な経路」となる。一方、特段の合理的な理由のない著しい遠回りは「合理的な経路」とはならない。

第三者の行為によって起こったものである場合

労働基準監督署宛に「第三者行為災害届(2部)」を提出します。添付提出書類は、交通事故証明書(または交通事故発生届)、通勤災害に関する事項(様式第16号の7~10(別紙))、念書(兼同意書)(3部)、示談が行われたときは示談書の謄本(1部)、仮渡金、賠償金を受けている場合は、自賠責保険等の損害賠償金等支払証明書(1部)(または保険金支払通知書(1部))、死亡診断書(1部)、戸籍謄本(1部)などです。

同一の事由で加害者から損害賠償を受ける場合、自賠責保険と労働保険との二重補償を受けることはできません。そこで、制度上、労災保険側で調整が行われます。ただし、慰謝料、見舞金、香典などの精神的な苦痛に対する損害賠償ほ、「原則として同一の事由についての損害賠償を受けた」ことにはならないとされています。

第三者行為災害における年金や一時金の調整方法は、求償や保険給付の控除、前払一時金等の支給停止、支給控除などがありますが、災害発生日から3年を超えると調整は行われません。求償にいたっても保険給付にしても災害発生日から3年を超えると相手側にもらった金額に関係なく、全額支給されます。

求償・・・相手に賠償をもとめること
控除・・・差し引いて支払うこと

業務上災害や通勤災害で、遺族年金を受ける場合、併せて厚生年金が支給される場合は、労災保険の年金は次の率を乗じた額となります。

遺族年金と併給される労災保険の年金給付率

遺族厚生年金および遺族基礎年金-0.80

遺族厚生年金-0.84

遺族基礎年金-0.88

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