一家の働き手が死亡したときに、残された遺族の為に厚生年金保険から支給される報酬比例の年金があります。

遺族厚生年金の受給資格者範囲

遺族厚生年金を受け取ることができる遺族は、死亡した被保険者または被保険者だった人によって生計を維持されていた年収850万円未満の人です。受給順位は下記の順位となります。

  1. 18歳未満の子のいる妻または18歳未満の子(遺族基礎年金も受給)
  2. 18歳未満の子のいない妻または55歳(支給は60歳から)以上の夫
  3. 55歳(支給は60歳から)以上の父母
  4. 18歳未満の孫
  5. 55歳(支給は60歳から)以上の祖父母

「18歳未満の子」-18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと

※平成19年(2007年)4月以降、夫の死亡時に30歳未満で子のいない妻等に対して支給される遺族厚生年金は、5年間の有期年金になります。

遺族厚生年金の年金額の計算

故人の厚生年金被保険者期間中の平均標準報酬月額を基とし次のように計算<従前額保障の場合>します。
従前額保障
被保険者期間中の死亡であり、被保険者期間が25年未満の時は、被保険者実月数ではなく、300月として計算します。

夫の死亡当時35歳以上であった妻が受ける遺族年金には、40歳以降65歳までになるまでの間、中高齢寡婦加算が、また65歳以降は妻の生年月日による経過的寡婦加算が加算されます。ただし、遺族基礎年金受給中は、遺族厚生年金は支給停止とされます。

遺族厚生年金の請求手続

住所地の社会保険事務所で所定の「遺族年金給付裁定請求書」をもらい、夫婦の年金手帳、戸籍謄本、住民票、生計維持証明書などを添付書をそろえて請求します。

老齢厚生年金と遺族厚生年金のどちらかを選択する場合

厚生年金被保険者期間のある妻が、夫の死亡により遺族厚生年金を受けられるようになった場合には、次の選択

  1. 妻が60歳以上65歳未満である期間は、次のいずれかの年金を選択して適用を受けることになります。
    ⅰ)夫の遺族厚生年金
    ⅱ)自分の報酬比例部分相当の老齢厚生年金(または特別支給の老齢厚生年金)
  2. 妻が65歳以上になったときからの年金
    妻が65歳以上になると次の3つの年金からいずれかを選択して適用を受けることになります。
    ⅰ)妻の老齢厚生年金+妻自身の老齢基礎年金
    ⅱ)夫の遺族厚生年金+妻自身の老齢基礎年金
    ⅲ)夫の遺族厚生年金×2/3+妻の老齢基礎年金×1/2+妻自身の老齢基礎年金

この場合、妻と夫をそれぞれ置き換えた場合も同じですが、夫が妻の遺族となるには、妻の死亡時に55歳に達していなければなりません。また、上記のⅲ)が選択できるのは妻のみで、しかも、経過的寡婦加算も3分の2とされます。

妻が60歳未満の場合の手続き

亡くなった夫の厚生年金保険で第3号適用者であった60歳未満の妻は、60歳までは国民年金保険に加入しなければなりません。また、健康保険も扶養家族となっていた妻は、国民健康保険に加入する必要がありますので、住所地の市町村役場にて手続きを行います。

受け取っていない亡き夫の年金があるとき

亡くなった方が年金受給者であり、まだ受け取っていない年金がある場合には、生計を同じくしていた遺族の方が受け取ることができます。その場合の遺族年金の受給順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順となります。ただし、この場合には「未支給年金請求書」を提出する必要があります。また、「年金受給権者死亡届」の提出が必要です。

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