たとえ口ごもっても「このたびはどうも・・・」で、次の言葉が出てこなくとも、それはそれでかまいません。
流暢(りゅうちょう)に決まり文句で挨拶するよりも、心底から故人の死を悼(いた)み、遺族の悲しみを察して心のこもったお悔やみを述べることがとても大切になります。心がこもっていれば、必然的に胸がつまって言葉が少なくなのは当たり前と思い。
そういう遺族の心情を察した気持ちはおのずと表情や態度に現れ、そのことが何よりもお悔やみの挨拶になります。
不幸の知らせを受けて取り急ぎ駆けつけた弔問の際も、通夜に出席して霊前にお参りする際も、喪主や遺族にお悔やみを述べるのは当然の礼儀ですが、いずれも状況に応じて手短に述べることが大事です。
遺族は大切な人を失い悲しみに沈んでいます
悲しみに沈む遺族へのお悔やみの言葉はたいへん難しいものですが、うまく述べることよりも、遺族の気持ちを察して、心から悲しみをいたわりの心情を表現することが大切です。ですから、故人の病死や死因などをクドクド尋ねたり詮索することは避けなければなりません。あくまでも遺族の心情を思えば言葉を選び簡潔に故人の冥福を祈ることが大切です。
お悔やみの言葉や弔電で避ける言葉
お悔やみの言葉には、避けなければいけない忌み言葉があります。不幸の重複を連想させるような言葉。たとえば、「重ね重ね」「かえすがえすも」「つづかれて」などは使わないように注意します。
一般的におかけする言葉
「このたびは、まことにご愁傷様でございます。心からお悔やみを申しあげます。」
「このたびは、思いがけないことでさぞかしお力落としのこととお察しいたします。心よりご冥福をお祈り申しあげます」
などがよく使われます。
お世話になった故人の場合
「ご生前には、ひとかたならぬお世話に預かりました。これからご恩返しをいたそうと思っておりました矢先のことで、ほんとうに心残りでございます」
「ご生前はたいへんお世話になりました。なんのご恩返しもできないうちにお亡くなりになられ、まことに悔やまれてなりません」
などの言い方があります。
病気でお亡くなりになられた場合
「先日、お見舞いにお伺いした折には、あんなにお元気でいらっしゃいましたのに・・
急にお亡くなりになられたとは、本当に残念でなりません。慎んでお悔やみ申しあげます」
「皆様のご看病のかいもなく亡くなられ、さぞお力落としのこととお察しいたします」
「お見舞いにもお伺いできないうちにお亡くなりになられ、まことに心残りでございます」
お年を召された人がお亡くなりになられた場合
「天寿を全うされたうえでのこととは存じ上げますが、ご看病のかいもなく、ほんとうに残念でなりません。慎んでお悔やみ申しあげます」
事故などでお亡くなりになられた場合
「思いがけない災難で、さぞお嘆きのことでございましょう。お悔やみ申し上げようもございません」
「あまりにも突然のことで、ただただ驚くばかりです。さぞご無念でございましょう」
後輩や部下などの若い方がお亡くなりになられた場合
「これからが楽しみな方でしたのに、本当に残念でなりません」
などの挨拶が考えられます。
まとめ
どのような状況でお亡くなりになられた場合であっても、お悔やみの終わりには
「さぞ、お力落としでございましょうが、どうぞお気持ちをしっかりお持ちください」
「子供さんのためにも、ご自愛なさってください」など
心からのお悔やみと共に遺族への励ましの言葉を一言添えてあげてください。