直葬・火葬式について知っておこう
最近では、大規模で豪華な葬儀ではなく「直葬(ちょくそう・じきそう)」のシンプルな葬儀を選ばれる方が増えています。
ある葬儀社の調査では、葬儀社が執り行う葬儀の6件に1件は直葬であるという調査結果がでています。
なぜこのような傾向が現れたのでしょうか。
「直葬」とは、通夜式や告別式などの儀式を省き、ごく親しい方数名で火葬のみを行う葬儀のことを指します。
呼び方は違いますが「火葬式」も同じです。
従来の「お葬式」の形式にこだわらない人が増えた事が大きな理由と考えられます。
ただし、直葬は事前に内容を調べて検討をしておかないと、後にトラブルになるケースもあるため注意が必要です。
今回は直葬の流れや費用、依頼前に知っておくべきこと を詳しくご紹介します。
直葬とは?通夜式と告別式がないシンプルな葬儀
直葬は一般的な葬儀とは異なります。
一般的な葬儀では、1日目に通夜式、2日目に告別式と火葬を、大勢の参列者を招いて行います。
比べて直葬は、亡くなった後、ご遺体を安置してから出棺、火葬場へ移動して火葬を行います。法律により、ご遺体は死後24時間以内は火葬をしてはいけないと定められているため、直葬でも安置は必要です。
ご希望があれば、火葬炉の前でご僧侶にお経をあげてもらい、お別れをします。
直葬を選ぶ割合はどのくらい?
ひと昔前は豪華な霊柩車を見かけることが多かったけれど最近は見かけない、と感じる人もいるのではないでしょうか。
かつては、豪華な霊柩車を使用したり、大きな花輪を立てたりといった葬儀を行うことも多くありました。
しかし、最近では静かに行う葬儀が好まれる傾向にあります。
現在でも一般的な葬儀が割合としては高いとはいえ、遺族や参列者への負担が少ない葬儀が増えています。
家族や親しい親族のみで行われる家族葬や密葬、お通夜を行わない 一日葬、火葬のみを行う直葬など、一般葬以外にも選択肢はさまざまです。
公正取引委員会が2017年3月に行った「葬儀の取引に関する実態調査」の報告書から、葬儀の形式の変化に関するデータを紹介いたします。(約700件の葬儀会社へ調査。複数回答有)
一般葬 | 268,473件 | |
家族葬 | 120,960件 | |
直葬 | 23,450件 | |
一日葬 | 11,976件 | |
社葬 | 1,150件 | |
合計 | 426,009件 |
地域によってはしきたりを重要視するところもありますが、東京都では、「直葬・火葬式」9%、「一日葬」6%、「家族葬」42%、「一般葬」43%となり、東京都の「直葬・火葬 式」「家族葬」は全国平均を上回り、小規模な葬儀が選ばれていることが伺えます。
宮型の霊柩車や大きな花輪は非常に目立ちます。
派手な葬儀を行うと、自宅や斎場近くの住民から苦情が出てしまうこともあり、静かな葬儀が好まれるようになっているのです。
近所づきあいが希薄になっていることも、理由としてあげられます。
また、故人の意思や遺族の経済状況から、葬儀費用をできるだけ抑えたい、と考える人もいます。
さらには、高齢で亡くなった場合に友人が既に亡くなっていて参列者が少ないという、高齢化ならではの原因も考えられるでしょう。
直葬が選ばれている理由
近年、一般的な葬儀の形態から、直葬(ちょくそう)を選択する人が増えてきました。
なぜ直葬の葬儀形態が選ばれているのか、主に下記のような理由があげられます。
・経済的な理由
・高齢化社会
・核家族化
・近隣地域との関係性の希薄化
直葬の費用相場
直葬は、一般的な内容の葬儀に比べて費用を大幅に抑えることができます。
一般的な葬儀費用の平均は195万円(※)であるのに対し、直葬は20~30万円前後で行うことができます。
(※ 2017年日本消費者協会 葬儀についてのアンケート調査より)
葬儀会社の中には「10万円で直葬を行える」と宣伝しているところもありますが、その金額には必要な物品やサービスが全て含まれておらず、追加料金が発生する場合もあります。
「贈る葬儀こころ」では、3つの定額プラン(8万円、10万円、12万円)ともに、直葬(火葬式)を行う上で必要最低限の物品やサービスを全て含んでおります。
★必要な物品やサービス
寝台車 搬送2回分(病院から安置所、安置所から火葬場)
安置施設の使用
ドライアイス
棺、棺用のお布団、骨壺などの物品一式
役所や火葬場の手続き代行
※この他、葬儀会社以外(火葬場・ご僧侶など)にお支払いするお代金がございますので、ご注意ください。
直葬のメリット・デメリット
直葬を検討されているのであれば、そのメリットとデメリットを把握しておきましょう。
直葬のメリット
①費用を抑えられる
一般的な葬儀で行われる通夜式や告別式を行わないため、経済的な負担を抑えることができます。
②参列者への対応が不要
直葬はご家族や身近な方のみの少人数で行うため、大勢の参列者への挨拶や、受付係の手配などが必要ありません。また、香典を頂いた方への香典返しや、手伝って頂いた近所の方への挨拶回りなど、葬儀後の対応も最小限で済みますので、気持ちの負担も軽減できます。
直葬のデメリット
①親族の理解を得る必要がある
直葬は、多くの方がイメージされる一般的な葬儀とは異なります。そのため、後日トラブルにならないように、親族に対して直葬を行う旨をしっかりと伝え、理解を得ておきましょう。
②参列を希望される方への配慮が必要
直葬は基本的に身内のみで行うため、葬儀に参列できなかったことを悔やまれる方がいるかもしれません。葬儀後に弔問の機会を設けるなどの対応があると良いでしょう。
③菩提寺へ納骨できない可能性がある
一般的に、お付き合いのある菩提寺がある場合は、その寺の考えのもとに葬儀を行い、火葬後は菩提寺へ納骨することになります。直葬を行うことを事前に伝え、理解を得ておかないと、宗教的儀式を省いた直葬を行ったことにより関係を損なう可能性があります。場合によっては、菩提寺への納骨を断られるケースもありますので、事前に相談しておくようにしましょう。
直葬を行う際の注意点
お通夜や葬儀を行う一般葬とは異なり、直葬は火葬のみを行います。一般葬に比べると準備することが少なく、拘束時間も短いため、遺族や参列者の負担が大幅に軽減されます。斎場を借りることなく火葬場のみで葬儀を終えられるため、費用を抑えられることも直葬のメリットです。ここでは、一般葬と異なる直葬について、マナーや注意点をご紹介します。
遺体の安置場所を考えておく必要がある
一般葬では亡くなられた翌日にお通夜、その翌日に葬儀、火葬をおこなうのが一般的なスケジュールです。直葬ではお通夜や葬儀を行いませんが、亡くなられたあとすぐに火葬ができるわけではありません。死後24時間以内に火葬をすることは、法律で禁止されているためです。そのため、直葬では火葬まで遺体を安置する場所の確保が必要です。
自宅にスペースがある場合は、布団を敷いて枕飾りをし、故人を寝かせます。火葬までの日数にもよりますが、数日間安置しておく場合はドライアイスを用意しましょう。安置の仕方が分からない場合は、葬儀会社に連絡すると対処を行ってくれることもあります。自宅に安置するスペースがない場合は、葬儀社や火葬場の霊安室を使わせてもらうこともできます。
病院で亡くなったとしても、病室で長時間の安置はしてもらえません。自宅か霊安室に故人を搬送する必要があります。都心では、火葬場の予約が何日も空いていないことも考えられるでしょう。そのような場合は自宅での安置にも限界があるため、葬儀会社に相談してみることをおすすめします。
埋葬料・葬祭料を請求する
葬儀代は、いつ必要になるか分からず、前もって用意しておくものではありません。そのため、急な出費になってしまうことがほとんどです。
遺族の負担を減らすために、葬儀費用の一部を負担してもらえる制度があります。これを「埋葬料」といい、健康保険組合や自治体から喪主に支払われます。埋葬料を受け取るためには申請が必要で、健康保険では埋葬料、国民健康保険では葬祭費といいます。
お寺に納骨ができるか確認しましょう
火葬が終わってからは後日、納骨を行うことになります。ここで、直葬を選んだがために、菩提寺から納骨を断られるケースがあります。直葬の場合は戒名や読経がないために僧侶を呼ばないことが多いですが、菩提寺に納骨を考えている場合は、事前に納骨ができるかどうかお寺に確認する必要があります。
ただ、直葬の場合は納骨できないというお寺であったとしても、炉前読経や四十九日の法要をお願いすることで、納骨してもらえる場合があります。炉前読経というのは火葬前に棺を一旦安置した状態で、僧侶に読経をしてもらうことです。同じように、四十九日の法要で本葬を行えば、儀式が守られたと解釈されるのでしょう。
親族、知人に理解をしてもらいましょう
儀式を一切しないで、家族やごく親しい方数人で火葬のみを行うやり方を直葬といいます。
直葬は、限られた親族だけで行う家族葬や密葬とは違うものです。
一般的な葬式というのは、お通夜から始まり、葬儀式、告別式そして火葬という一連の流れで行われますが、最近では、経済的理由から葬儀費用の捻出が難しい、高齢で亡くなったために親族や知人がほとんどおらず式をしても参列者がいない、仏教離れといった宗教観の変化により儀式としての葬儀の必要性を感じる人が少なくなった、などの理由から直葬をする人が多くなってきています。
注意したい点は、直葬の場合、火葬に立ち会うのはごく限られた家族のみになるということです。ですので、一般的な葬儀に参列して故人にお別れをしたいと考えていた親族や友人、知人に対して葬儀を行わなずに直葬とする旨の連絡を事前にし、理解をしてもらうことが必要です。
葬儀というのは、一生に一度、最後の故人とのお別れの場です。直葬を選ぶ場合は、後になって後悔しないように家族間でしっかり相談しておくのがよいでしょう。
直葬を行うための3つの手段
一般葬の場合は葬儀会社を介することがほとんどですが、直葬を行うためには他にも3つの手段が考えられます。直葬を行いたい理由はさまざまですから、希望に合わせて手段を選ぶと良いでしょう。
全て自分で執り行う
一般的な葬儀を一から自分で行うには、手間や時間がかかりすぎます。ただでさえ家族の死で精神的に疲弊していることから、葬儀会社に頼むことが一般的です。しかし直葬の場合は手順が少ないため全て自分で執り行うこともできます。経済的な理由で直葬を選ぶ場合、自分で執り行うとさらに費用を大幅に抑えられます。
直葬を行うにあたって、亡くなられた方を搬送し、死亡届の提出や火葬の手続きをする必要があります。死後24時間が経過するまで遺体を自宅などで安置し、その間に棺や骨壺といった備品を用意します。火葬できる時間になったら火葬場に搬送し、火葬、お骨上げという流れになります。
葬儀会社を自分で選ぶ
全てを自分で手配する場合に比べると費用がかかってしまいますが、葬儀会社を選んで直葬の手伝いをしてもらうこともできます。経済的な理由からではなく、宗教的な儀式をしたくないという場合や参列者が少ないといった理由から直葬を選ぶ場合に多いケースです。
直葬は一般的な葬儀と違い葬儀場や装飾品がないため、担当者の人柄や能力による差が出てしまう可能性があります。費用を抑えられるメリットがある直葬ですが、納得できる形でお別れをするためにも葬儀会社は慎重に選ぶようにしましょう。
葬儀会社にお願いする場合、遺体の搬送と安置、納棺をしてもらっている間に打ち合わせをします。遺体を霊柩車で火葬場に搬送し、火葬炉の前で最期のお別れをしてから火葬、お骨上げとなります。事務の引継ぎや費用の支払いを行い、直葬はすべて終了です。
葬儀ブローカーに依頼する
葬儀ブローカーとは、インターネットで葬儀会社を探している人を対象に、広告を出している人のことです。葬儀ブローカーは葬儀会社を探している人と葬儀会社の仲介的役割を果たしており、紹介することで手数料を得ています。
葬儀ブローカーに依頼する場合、葬儀会社に依頼するよりも費用を抑えられることがほとんどです。一般的な葬儀会社よりも低価格で、かつ自分で執り行わなくて良い点がメリットだといえます。一方でクオリティが低かったり追加料金が請求されたりといったケースもあるため、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
直葬の詳しい流れ
「贈る葬儀こころ」の「こころのお別れ葬」プランを参考に、直葬の流れをご紹介します。
直葬のマナーは?服装や香典はどうすべき?
直葬のマナーは?服装や香典はどうすべき?お通夜や葬儀を行わない直葬では、どのようなマナーがあるのでしょうか。一般葬との違いが気になる人もいるかもしれません。
喪服を着るべきなのか平服でも良いのか、香典は必要なのか、など知っておきたい知識をご紹介します。
常識の範囲内の服装にする
直葬を行う場合は、家族や親しい親族のみが集まることがほとんどです。お通夜や葬儀といった宗教的な儀式を行わないため、一般的な葬儀と比べると服装のマナーは厳しくありません。喪主や遺族は喪服を着用することが一般的ですが、他の参列者は喪服に準じた服でも構いません。
必ず喪服でなければならないというわけではありませんが、派手な色や柄は避けて常識の範囲内の服装にしましょう。哀悼の意を表すためにも黒のスーツや黒のワンピースなどを選ぶことをおすすめします。
香典を受け取ったら返礼品を贈る
直葬において香典を受け取るかどうかは喪主の判断によります。「香典は不要です」という連絡があった場合は、無理に渡す必要はありません。連絡がない場合は、気持ちとして香典を用意しておくようにしましょう。
香典が必要かどうかは、地域差もあります。その地域の直葬に参列したことのある人に、習わしを確認しておくと安心です。
直葬では受付がないことが多いため、ご遺族にお悔やみの言葉を述べて直接渡したり、祭壇に供えたりする方法を取ります。香典は故人に対してではなくご遺族に対してお渡しするものです。そのため祭壇に供える場合は、不祝儀袋が自分の方を向くように置くようにしましょう。
直葬を行う側で、参列者から香典をいただいた場合は返礼品を用意しなければなりません。いただいた香典の額の3分の1から半額程度をお返ししましょう。香典への返礼品は、即日返しと四十九日で返す場合があります。地域によっても異なるため、地域の風習に従いましょう。
食事の場は設けないのが一般的
一般葬では、お通夜のあとに通夜振る舞い、葬儀のあとは精進落としなど、食事の場が設けられることも多いです。しかし、直葬では、食事の場は設けないのが一般的です。参列する場合は、家や火葬場の近くで食事を済ませてから参列するようにしましょう。火葬場によっては、火葬の空き時間や火葬後の時間を使って食事の場を設けられることもあります。
直葬の香典の相場
香典を包む際は、不祝儀袋を正しく書き、新札を使わないなどのマナーは守りましょう。
故人とあなたの関係 | 20代 | 30代 | 40代 |
祖父母・配偶者の祖父母 | 10,000円 | 10,000~30,000円 | 30,000~50,000円 |
父母・配偶者の父母 | 30,000~100,000円 | 50,000~100,000円 | 100,000円 |
兄弟姉妹・配偶者の兄弟姉妹 | 30,000~50,000円 | 30,000~50,000円 | 100,000円 |
叔父・叔母 | 10,000円 | 10,000~30,000円 | 10,000~30,000円 |
親族以外 | 3,000円~5,000円 | 3,000円~5,000円 | 3,000円~5,000円 |
直葬で戒名は付けてもらえる?
仏式で葬儀をする場合、戒名をつけてもらう必要があります。お通夜や葬儀を行わない直葬の場合でも、戒名をつけてもらうことはできるのでしょうか。
直葬でも戒名をつけてもらいたい場合は、お寺に相談しましょう。
お布施を用意し、「四十九日の法要は行うので、戒名をつけていただけないか」といった謙虚な姿勢でお寺に話をしてみてください。
直葬に否定的なお寺もあるため、トラブルを避けるためにも事前に相談することが大切です。
お寺の檀家である場合には戒名をつけますが、宗教に関係のない霊園にお墓を建てる場合は戒名が必要ないこともあります。
檀家であるにもかかわらず戒名をつけなかった場合は、納骨をさせてもらえないといったトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
お付合いのあるお寺様をお持ちでない方は、「贈る葬儀こころ」にて、読経・戒名をしていただく手配をさせていただきます。
直葬を選択する前に、考えておくべき事は?
本当に通夜式や告別式を行わなくてもよいのか?
親しい方以外参列される方を呼ばなくてもよいのか?
後悔のないようしっかりと考えた上で、家族が望む葬儀形式を選ぶことが大切です。
最後に
今回は直葬の流れや費用など、依頼する前に知っておきたいポイントを詳しくご紹介しました。このように直葬とは一般的な葬儀と比較するととてもシンプルな葬儀です。直葬での葬儀は経済的負担や心身の負担を減らすことができ、高齢化社会・核家族化が進む現代には合った葬儀といえます。
しかし、親族や菩提寺とのトラブルになる可能性もあるため事前に相談をして決めるようにしましょう。
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